京都工芸繊維大学 新素材イノベーションラボ

共同研究

有機ナノデバイスのベースとするエネルギー生成材料の国際研究プロジェクト

ユニット招致する海外の大学と研究者

University of Cambridge, Cavendish Laboratory
Professor Henning Sirringhaus

本学担当教員

材料化学系

  • 堤直人 教授/副学長
  • 木梨憲司 准教授
  • 山雄健史 教授
  • 稲田雄飛 助教

有機ナノ結晶の配列や有機半導体ナノファイバーを用いた新たな相互貫入型有機太陽電池デバイスの開発を目指して、研究をスタートさせます。軽量、フレキシブルでウエラブルにもなり、どこでも手軽に使える光(太陽)発電デバイスを目指します。2017年1〜3月の期間、稲田助教がCambridge大学Cavendish 研究所のProf. Sirringhausの研究グループで光共振器を配備した有機発光デバイスの開発に関わる研究に従事しました。活性な金属電極と封止用化合物を連続で真空蒸着するための条件検討を行い、有機半導体単結晶デバイスを封止しました。本成果は、有機発光デバイス開発を加速させるものと期待しています。

エネルギー収集(貯蔵)と輸送に関する高分子/ナノ材料の国際研究プロジェクト

ユニット招致する海外の大学と研究者

National University of Singapore
Assistant Professor Siowling Soh

本学担当教員

材料化学系

  • 中西英行 准教授
  • Rakesh Pandey 特任助教

電気化学キャパシタは、電極と電解質の界面で形成される電気二重層を利用して蓄電するものであり、従来のコンデンサや蓄電池とは全く異なる新しい概念のエネルギー貯蔵材料です。高分子/金ナノ粒子電極から構成される電気化学キャパシタを用いた新規なエネルギーの貯蔵法、ならびに実験的な側面からcontact electrification のメカニズムを提唱し、contact electrificationを利用する有用なエネルギーの収集法を開発していきます。

非線形反応によって誘起する自己組織化に基づく新規な構造制御の国際研究プロジェクト

ユニット招致する海外の大学と研究者

Budapest University of Technology and Economics
Associate Professor Istvan Lagzi

本学担当教員

材料化学系

  • 中西英行 准教授

非線形反応によって引き起こされる自己組織化構造は、自然環境や生体システムで見られる秩序構造に類似することから興味が持たれ、多くの研究がなされてきました。この研究では、自己組織化現象を材料科学の分野に適用し、材料の構造設計に応用する研究を行っています。生体系における複雑で多様な構造を高分子などの材料に発現させることができれば、マイクロレンズアレイなどの光学材料や物質の合成や分離の足場として広く利用することが考えられます。本研究ではモデル系として、金ナノ粒子などのビルディングブロックの合成と表面設計を行い、それらの高分子媒体中における自己組織化のダイナミクスについて基本的な研究を行っています。

非線形反応によって引き起こされる自己組織化現象を材料科学の分野に適用する新たな材料の構造制御の国際共同研究を平成27年(2015年)から実施し、金ナノ粒子などのビルディングブロックの合成と表面設計の研究に成功し、国際共著論文2報(Langmuir 31,12019 (2015)およびPhys. Chem. Chem. Phys. 18, 25735 (2016))に発表しています。平成29年1月〜3月に、Lagzi准教授を大学院生と共にユニット招致し、モデル系で本手法の妥当性の検討を開始し、本手法を用いて生体模倣(バイオミメティック)の複雑で多様な構造を高分子材料で発現させたり、ナノヘテロ構造のチューニングへ応用することを目標に、幅広く材料の設計、制御、創製に活用していきます。

画像:静電相互作用の遮蔽によって現れた金ナノ粒子の集合構造(Voronoi diagram)

静電相互作用の遮蔽によって現れた金ナノ粒子の集合構造(Voronoi diagram)

ナノバブルの国際研究プロジェクト

ユニット招致する海外の大学と研究者

Paris Diderot University
CNRS researcher (CR1) Valentin Leroy

本学担当教員

材料化学系

  • 則末智久 教授

大きさがナノメートルレベルのナノバブルは、ラプラス圧が非常に大きくなり、圧縮率が極めて高いために容易に圧壊してしまい、ナノバブルが自然に存在し得るかが基礎科学的観点からの議論の的になっています。則末教授はLeroy准教授をユニット招致し、独自に開発した超音波散乱法を駆使して、平成28年(2016年)1月よりナノバブルの基礎研究を開始し、超音波散乱法がナノバブルの存在を決める新手法となることを国際共著論文(ChemPhysChem 17, 2787 (2016))で示しました。ナノバブルの安定な存在に関しても未だ解明されておらず、今後は、マイクロバブルがナノメートルサイズに収縮して消滅する過程も計測できるように、バブルの濃度とサイズ分布を解析する理論と手法をも取り入れた研究を継続しています。

温度応答性高分子の高機能化に関する新たな国際研究プロジェクト

ユニット招致する海外の大学と研究者

University of Montreal
Professor Julian Zhu

本学担当教員

材料化学系

  • 町田真二郎 准教授

モントリオール大学Zhu教授より提供された、2段階の温度応答性を示す新しい温度応答性高分子の温度応答に伴う微環境変化を蛍光プローブを用いて評価しています。さらに、温度応答性高分子を金ナノ粒子表面に修飾し、その相転移前後における蛍光強度や寿命と局在表面プラズモン吸収の相関を明らかにしつつあります。今後は、同大学より研究者をユニット招致し、研究を充実させていきます。

画像:静電相互作用の遮蔽によって現れた金ナノ粒子の集合構造(Voronoi diagram)

PAGE TOP